今日は表R型です。表R型は書体としては私が一番好きな書体です。何と言っても、"銀"の書体が美しく、とてもバランスの良い書体だと思います。"分"は第一画の初めに少し左側に伸びる"爪"があり、"刀"の第一画の縦が直線ではなくてやや湾曲し、第二画より長いのが特徴です。慣れてくると、"分"だけでだいたいR型だとわかります。R型は位付けとしては並品扱いですが、実際にはそこそこ少ない型です。多くの収集家もそこのところはわかっていて、オークションでも少し高い評価を得る場合が多いです。Pt・Tr・Ts・Zq (表P・T・Zで一番存在数が多い)を2000円だとすると、表RoとRt (表Rで一番存在数が多い)は2500円くらいの評価ではないでしょうか。
表R型は書体に一番変化が少ない型です。"やや大字"と"やや小字"があるくらいで、その差はほとんどありません。ですから、表R型は基本的に1種類と考えてよいと思います。表R型の裏は、o、p、q、s、t の5種類です。Ro、Rt、Rq が一番多く、同じランクです。RpはSlやQlよりはかなり少なく、Srと同じランクだと思いますが、裏pの書体があまり美しくなく、状態の良いものも少ないので、あまり人気がありません。オークションに出ても、美品で4000円もいかないことがありました。
さて、最後がRsです。天保一分銀本座の中ではStに次ぐ珍品ですが、私は評価されている以上に存在するのではないか?と思っています。十数年前、ヤフオクにRsの未使用品が出品されたことがあります。正直、こんな状態のRsが存在するのか、と驚きました。その時は手元不如意で落札できませんでしたが、80万円くらいだったと記憶しております。今この状態のRsが出れば、80万円くらいではとても落札できないでしょう。現在、Rsの美品クラスですと、40万円~50万円くらいでしょうか。状態さえ良ければ一気に価格は跳ね上がると思いますが、根気よく探せは入手は可能です。
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