日本貨幣商協同組合鑑定書改革案

 前回のブログでは日本貨幣商協同組合鑑定書(以後組鑑)、およびその取得に関する問題点を取り上げました。それでは、より良い組鑑にするためにはどのようにすれば良いのでしょうか?現実には色々な問題や事情があり、なかなか思い通りにはいかないのかもしれませんが、個人的には「こうすれば良い」という案はあります。それほど難しいことではないので、日本貨幣商協同組合(以後組合)がやる気になれば、すぐできることだと思います。

 まずは鑑定料金です。現在、時価100000円未満の鑑定料金は11000円ですが、これは高すぎます。丁銀など、一般の方には真贋がわかりにくい古銭には組鑑を付けて販売したいとは思いますが、時価30000円の天保丁銀に11000円の鑑定料金はいかにも高すぎます。組合の方はそう思われないのでしょうか?実際には、郵送費などを加えると、13000円くらいはかかりそうです。そこで改革案・その1です。『時価50000円未満の鑑定料金は5500円に戻す』です。

 次に時価です。これほど曖昧で、よくわからない言葉はありません。前のブログでも書きましたが、その時価は誰が決めるのでしょうか?是非教えて頂きたいものです。そこで改革案・その2です。『鑑定料金はその年発行の「日本貨幣カタログ」記載の価格を基準とする』です。貨幣カタログの価格は、価格が急騰したコイン以外は、時価よりもかなり高めに設定されているので、この価格を基準にして文句はないはずです。その貨幣カタログは組合が発行しているのですから。カタログの価格、と言っても状態によって価格が違います。ですから、組合は鑑定に出されたコインの状態を明示しなければならなくなるわけです。そこで改革案・その3です。『組鑑には必ず日本貨幣カタログに準じた状態を明示する。つまり、近代銭は完未~並品の5段階、古金銀は上~下の3段階とする』です。日本貨幣カタログ自体の改定も必要となってきます。状態による価格差が明示されていない穴銭や逆桜別一分銀や書体別一朱銀の価格などもきちんと明示するする必要があります。「嘉永一朱銀Dc 10000円~」これがカタログですか?嘉永一朱銀Dcはいったいいくらなのですか?15000円?150000円?1500000円?カタログが必ずしも実勢を示していないことは誰しもわかっていますが、「10000円~」は誰が考えてもおかしな表記です。そんなことも組合の人はわからないのでしょうか?まあ、やる気がないだけだと思いますが・・・。

 最後に改革案・その4です。『組合に直接コインを送り、組鑑を取得できるルートも作る』です。現在、組鑑を取得するためには必ず組合加盟店を通すことになっています。しかし、近くに組合加盟店がない、知り合いがいない、といった方は全国に大勢おられます。組鑑取得を推進したいのなら、組合店を通すルートも維持しつつ、組合が直接郵送を受け付けるシステムも構築するべきです。そうすれば、組合も仲介加盟店に払う手数料が減るではありませんか?いや、そういうシステムを作り、維持する方がお金がかかります、と仰るかもしれませんが、直接組合にコインを送ることが出来れば、やる気の無い組合加盟店に仲介を断られ、嫌な気分になる収集家もなくなります。是非組合は本気になって改革に取り組んで頂き、古銭界をより健全で発展したものにして頂きたいものです。