私のお気に入りの一品 (4)

 天保一分銀は私が一番好きな古銭です。"額縁の中の地肌の美しさ"が最大の魅力ですね。銀座包み出しと思われる素晴らしい天保一分銀のPoです。逆桜は最もありふれた普通の天保一分銀ですが、この見事な状態はいかがですか?まさに空前絶後の美しさです。私が最も気に入っている天保一分銀の1枚で、"裸"のまま、長く(5年くらい)私の手元にとどまっています。

 どうしてPCGSへ送らないのですか?という声が聞こえてきそうですが、正直躊躇する気持ちがあります。それはこの一分銀があまりに素晴らしい状態だからです。私の評価では、この天保一分銀Poは最低でもMS66で、MS66+(現在の天保一分銀のトップ)がついても不思議ではありません。何故なら、PCGSのpopulation report に画像が出ているMS66+の一分銀より、この一分銀の方が遥かに上だからです。しかし、彼らにこの一分銀の素晴らしさがわかるのか?最近の傾向だと、下手をするとMS65になってしまうかもしれない、という気持ちがあるのです。

 10年ほど前、天保一分銀のグレードのモードはMS65でした。現在のモードはMS63ですから、モードが2ランク落ちているわけです。昔は状態の良い天保一分銀ばかりが送られて、最近は少し状態が落ちるものが多く送られているのならそうなりますが、実際は違うと思います。5、6年前くらいから、PCGSが明らかに基準を変えて、意図的に数字を下げているのです。

 そんなわけで、この天保一分銀もPCGSへ送らず、"裸"のまま楽しんできました。でも、決心がついたらPCGSへ送り、是非MS66を獲得してこのサイトで販売出来たらと思っております。私的にはどう見てもMS66以上なんですけれど、わかってもらえるか心配です。是非、最後の画像を拡大して地肌を御覧下さい。とても200年近く前の古銭とは思えませんから。