古銭の収集を始めるきっかけやスタート分野は人さまざまですが、現行貨幣の収集から始める人が多いのではないでしょうか。現行貨幣は身近で単価も安いものが多く、滅多に偽物がないという点でも初心者や子供さんには向いている分野です。そこから多くの人が近代銭へと進むようですが、近代銭ではなく古金銀へと進む道も悪くないように思います。特に、金銭的余裕がない人にはお勧めのコースだと私は密かに思っているのですが・・・。
最近の近代銭の価格上昇は長年古銭に携わってきた私でもびっくりするほどです。スラブの定着、中国の経済発展、円安、投資、金銀価格の上昇などさまざまな要因があるのでしょう。近代銭、特に状態の良い金貨や大型銀貨、珍しい手替わりなどにはびっくりするような価格が付けられています。ただ、あまり人気のない小型銀貨や状態の良くない特年コインはかつての輝きを失い、価格も低迷しています。何が言いたいのかというと、近代銭で価格を決定する最大の要因が極端な言い方をすれば"状態"だけになり、「その僅かな"差"で大金を得たり、失ったりする」ことが当たり前になってしまったということなのです。だから面白いとも言えますが、非常にリスキーとも言えるわけです。例えば、未使用品だと思って12000円で購入した竜50銭銀貨明治32年があったとします。PCGSへ送ってMS65が取れれば、35000円くらいの価値になります。ところが、同じものを裸のままヤフオクに出品してみたら、2000円でしか落札されない、ということもあり得るのです。画像を見ていた入札者たちが「まあ、極美品+くらいやねぇ」と判断すると、こんな価格の入札しかないということもあり得ます。
その点、古金銀の価格は安定的で、近代銭のような極端なことが起こりません。以前と比べると、古金銀も状態による価格差が拡大しているのは確かですし、私はそれで正しいと思っています。ただ、近代銭のそれと比べると、格段に小さいものです。例えば、コイン店で販売されている極美品の天保一分金、今なら35000円くらいでしょうか。十分楽しんだので、ヤフオクに出品したら、28000~30000円くらいでは落札されそうです。その天保一分金の状態を最も厳しく判断した人でも、まあ25000円は付けるでしょう。そういう意味では、少ない資金で買ったり売ったりを繰り返す(大半の収集家がそうなのではないでしょうか?)人には、古金銀は資金の目減りが少ないお勧めの分野だと思うのですが、いかがでしょうか。

コメントをお書きください