最近急に人気が出てきた?(取引が活発になった)古金銀の一つが安政二分金です。その理由はやっぱり金価格の急騰だと思います。安政二分金も天保二朱金と同様、分金・朱金の中では比較的安価で、あまり見向きもされなかった分金です。金価格急騰前までは、長年15000円~18000円という価格帯でした。安政二分金の量目は1.50匁(約5.6g)で金品位は約20%ですから、5.6g×0.2=1.12gの金が含まれている計算になります。金は昨日急落しましたが、それでも1g=26000円ですから、26000×1,12=29120円の価値がある、という計算です。現在、安政二分金の美品は35000円くらいが相場になっています。
安政二分金は1856年6月から約4年間発行されました。発行枚数は7103200枚(3551600両)です。天保二朱金は1858年まで発行されていますから、両者が同時に発行されていた時期が2年ほどあります。天保二朱金は当時流通していた偽物が非常に多い貨幣ですが、安政二分金の当時の偽物はあまり見かけませんから、収集にあたってそれほど心配はいりません。ただ、きちんとした金座のシークレットがありますので、まだ御存知ない方がおられたら、知っておかれると良いのではないでしょうか。先程から天保二朱金を引き合いに出していますが、実は安政二分金と天保二朱金のシークレットマークは正反対に設定されているのです。
安政二分金の面(表)の上部には、"桐紋"とそれを囲む"扇"が打刻されています。その"扇"の形に着目し、安政二分金を2種類に分類します。
① 扇枠の底辺が左右に伸びて突き出ているタイプ
② 扇枠下部の左右の縦線が底辺より下に突き出ているタイプ
天保二朱金の際にも御注意申し上げましたが、極印の摩耗により扇枠の継目がわかりにくくなっているものもありますので、注意は必要です。
①と②のタイプにはそれぞれ約束事が存在します。
①の場合 ➡ 扇枠内の桐紋・右側の蕾に至る"芯"が欠けています(右欠芯)。左側の蕾に至る"芯"はあります。
②の場合 ➡ 扇枠内の桐紋・左側の蕾に至る"芯"が欠けています(左欠芯)。右側の蕾に至る"芯"はあります。
つまり、安政二分金は扇枠の形と欠芯の位置関係が天保二朱金の逆になっています。この約束は必ず守られていますから、この約束に違反するものは偽物です。是非お持ちの安政二分金を調べて、楽しんで下さい。

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石吉 (金曜日, 06 2月 2026 22:11)
新しい記事書いていただいてありがとうございます。
まったく逆のルールになっているなんて面白いですね。
手持ちの何枚かの安政二分金見てみましたが、ルールに沿ったものでした。
二朱金よりも、二分金の方が偽物作った際の利益が多いと思われるので、天保二朱金の方が安政二分金よりも偽物多いというのは思ってなかったです(が、感覚的には天保二朱金は怪しいのが多いなぁとは思っていました。)
明日香津五(店主) (土曜日, 07 2月 2026 00:32)
石吉様
コメントありがとうございました。
安政二分金は少し大きくきっちりと製作されているので、偽物は見分けがつき易かったのかもしれません。天保二朱金はかなり小さく、細かいところが違っても見分けがつき難かったのではないでしょうか。
岡田 (火曜日, 10 2月 2026 11:21)
とても勉強になります。いつも楽しい記事をありがとうございます。30年ほど古銭を収集していますが、過去記事の天保二朱金の真贋判定の記事を見て、手持ちの二朱金に愛着が湧きました。古南鐐二朱銀の真贋判定についても、ぜひ機会がありましたらご教授いただけると幸いです。
明日香津五(店主) (火曜日, 10 2月 2026 18:52)
岡田様
コメントありがとうございます。過分なお言葉、恐れ入ります。
古南鐐二朱銀はかなり長期間に渡って製作され、書体も様々です。ゆえに、文政南鐐二朱銀や文政南鐐一朱銀のように、ここを見れば真贋が明瞭、というわけにはいかない貨幣です。ですが時期時期に色々な特徴がありますので、機会があれば整理してみます。
岡田 (水曜日, 11 2月 2026 08:18)
ありがとうございます。
そういうことなんですね。勉強になります。
またブログや新商品、楽しみにしております。