御存知の方も多いかもしれませんが、『収集』2011年9月号と2014年9月号に細川一彦氏が投稿された記事が掲載されています。2011年9月号は『寛政二朱銀および文政二朱銀についての一考察』、2014年9月号は『寛政小型二朱銀(仮称)についての続報』という記事です。『収集』をお持ちの方は是非御一読下さい。昨年末、私も細川氏が発表されている(仮称)寛政小型二朱銀と思われるものを入手しましたので御紹介したいと思います。
この二朱銀、サイズと量目は文政南鐐二朱銀(新南鐐二朱銀)と同じですが、全体の雰囲気や書体などが文政南鐐二朱銀と異なることから、寛政末期~文政のごく初期に製作されたものではないかと考え、細川氏が寛政小型二朱銀と仮称された二朱銀です。詳しい説明は是非『収集』の記事をお読み頂けたらと思いますが、古い『収集』をお持ちでない方もおられると思いますので、細川氏の記事の要点だけ整理してみました。
この(仮称)寛政小型二朱銀と書体が非常に似ている文政南鐐二朱銀は、「縦点以・下アキ直片/一アキ常・閉じワ是」となります。両者を見比べてみると非常に似ていますが、細かく見ると各所に違いがあります。
① (仮称)寛政二朱銀 ➡ 全体に文字がやや小さく、文字の配置にやや余裕がある
文政南鐐二朱銀 ➡ 全体に文字がやや大きく、文字の配置が詰まっている
② (仮称)寛政二朱銀 ➡ 面の「南」の第一画(横棒)が短い
文政南鐐二朱銀 ➡ 面の「南」の第一画(横棒)が長い
③ (仮称)寛政二朱銀 ➡ 面の「換」の第六画と七画が第八画と離れている(二開換)
文政南鐐二朱銀 ➡ 面の「換」の第六画と七画が第八画と繋がっている(閉換)
④ (仮称)寛政二朱銀 ➡ 背の「常」の第一画(縦棒)がやや長く、第四画と五画の隙間が広い
文政南鐐二朱銀 ➡ 背の「常」の第一画(縦棒)がやや短く、第四画と五画の隙間が狭い
などです。その他、(仮称)寛政二朱銀に共通して見られる特徴など、記事の中で細川氏が色々と考察しておられますので、ご興味のある方は是非記事をお読み頂きたいと思います。この(仮称)寛政小型二朱銀、どれくらい希少なのか私などにはわかりませんが、なかなか見つからないことは確かです。



コメントをお書きください
一分銀の山本 (月曜日, 13 4月 2026 16:59)
こんにちは。
南鐐ニ朱銀の分類は、本当に難しいですね。
大型明和~文政と大まかには私でもわかりますが、寛政は、明和か寛政か、新発見品なのか、参考書とにらめっこをしても確信が持てない品が多いと感じます。「君の勉強不足だよ」と言われれば確かにそうなのですが、他の角銀より約束事の移行がハッキリとしていないのかな。
それにしても難しいですね。
明日香津五(店主) (月曜日, 13 4月 2026 17:42)
一分銀の山本様
コメントありがとうございます。おっしゃる通り、古南鐐二朱銀の細かい分類は非常に難しく、長期間に渡って製作されたため、小異も大変多くなっています。
御参考までに、こばしがわひでお氏が『収集』に投稿された主な記事の題名と年月日をまとめておきます。1993年4月号『歴史的銀貨をめぐって(1)古南鐐二朱判』、1993年8月号~10月号『古南鐐二朱判の分類法(1)~(3)』
ただ、余りにも細かすぎ、一般的には認知されていないような箇所もあるので、なかなか難しいです。『収集』1997年6月号に掲載された丹野昌弘氏の『古南鐐二朱銀の分類に関する考察 明和・寛政分類の簡易判別法』の方が簡潔で分かり易いかもしれません。