2024/07/15
天保一分銀でブログを書いてきましたが、最後は表Z型です。御存知のように、表Z型とは20個のいずれの桜にも逆桜がない型で、天保一分銀の最初の書体だと考えられます。表Z型の裏に打たれた"定"刻印は小型の初期のものが多く、額縁で比較的丁寧に切られた一分銀や額縁逆背(献上一分銀)も表Z型が多いからです。
2024/07/07
今日は表R型です。表R型は書体としては私が一番好きな書体です。何と言っても、"銀"の書体が美しく、とてもバランスの良い書体だと思います。"分"は第一画の初めに少し左側に伸びる"爪"があり、"刀"の第一画の縦が直線ではなくてやや湾曲し、第二画より長いのが特徴です。慣れてくると、"分"だけでだいたいR型だとわかります。R型は位付けとしては並品扱いですが、実際にはそこそこ少ない型です。
2024/06/23
天保一分銀の表Q型は、有名な『切れ分』または『離れ分』と呼ばれるもので、"分"の第一画と第二画が離れているものです。表Q型の裏はl、m、r、s の4種類しかなく、天保一分銀の中では一番組み合わせが少ない型です。Q型には"大字"と"小字"があります。"分銀"の文字の大きさが違うのですが、一番大きな違いは"銀"字の最終画です。"大字"は右方向への"はらい"がしっかりしていますが、"小字"は"はらい"が無く、どちらかと言えば"草尾銀"になっていることです。さらに"大字"は全体的に"太字"が多いのですが、"小字"は"細字"です。"大字"と"小字"の存在比率は3:1くらいではないでしょうか。
2024/06/16
天保一分銀 表T型は表P型に次いで存在数が多く、私の実感では表Z型とほぼ同じくらいです。つまり、天保一分銀は表P、T、Zの3つの型で、その大部分を占めているわけです。表T型の裏は、l、o、q、r、s、t の6種類があるとされていますが、Tqに関しては若干の疑義がありますので後述いたします。
2024/06/09
天保一分銀の表S型とは、皆さんも良く御存知の"跳分"です。昔から天保一分銀では人気のある書体ですが、何故か古泉界は一分銀に限らず、"跳ね"書体が好きな傾向があります。
2024/05/26
御存知のように、天保一分銀の表の型には、逆桜の無いZ型とP型~T型までの合計6種類が存在します。もちろん、本座(幕府の銀座鋳)ではない別座(藩鋳)にはN型やO型も存在しますが、ここで言う天保一分銀とは本座のことです。今回は天保一分銀 表P型についてお話します。
2024/05/19
今回から、天保一分銀について何回か連続してブログを書こうと思います。収集の御参考になれば幸いです。御意見、御質問などがあれば、是非コメントをお願いいたします。ただ、これから書いていくことは私個人の収集の中で感じたことであり、あたりまえのことですが、決して真実とは限りませんので御理解下さい。
2024/04/28
本日現在、PCGSの天保一分銀の鑑定枚数は1060枚、安政一分銀は2581枚です。私も以前から天保一分銀と安政一分銀を合わせて200枚以上送ってきました。その中で最近思うことを書いてみます。
2024/03/28
先日、天保一分銀の拾両包み(40枚)を開封しました。慶應2年(1866年)に包まれたものですから、158年ぶりに包みを開けたことになります。この包みは銀座の包みではなく、民間(両替商など)の包みですから、どのような状態かは開けてみるまでは分かりません。包みによっては「一分銀」としか書かれていないものもありますから、開けてみるまでは天保一分銀か安政一分銀か、混ざっているのか、わからないもの多いです。

2024/02/12
御存知の皆様も多いと思いますが、とうとう豆板銀(銀座の正式用語では小玉銀)のPCGSスラブが登場しました。需要があるのだから、何でも鑑定してやれ、ということだと思いますが、さすがに豆板銀のスラブ化は無理があると思います。その理由は言うまでもなく、豆板銀が秤量貨幣であり、大きさが様々である、という点です。さらに、豆板銀は打刻されている文字や大黒、その打刻のされ方によって大きく価値が変わるからです。

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